第ニ章プロローグ
「ここ最近の反応は」
暗い、暗い部屋の中、一人の老人が尋ねる。
機械を前にした何人もの内の一人が答える。
「ありません」
老人は明らかに落胆した。その近くへ一人の人間が近寄る。
「申し訳ありません。反応が出次第、ご報告いたします」
「わかっておる」
老人は立ち上がった。
彼にはやらなければならないことがあった。
彼が生きているうちに。
後の世代に残さぬために。
彼にはやらなければならないことがあった―――――
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言霊へモドル