第三十一話「最強はだれだ?in部活」




やっと高校生活にも慣れてきた今日この頃。(といっても入学からまだ2週間)

夏葉とも普通に接せるようになって、問題は一つ解決。残る問題は・・・・

「卓弥」

「なんじゃぁ?」

その答え方はないだろう・・・・

「お前の言霊のことなんだが・・」

「あ〜〜〜後でいいか?今ちょっと集中してるんで」

今は数学の授業中だ。確かに、と思い、俺も授業に集中することにした。

・・・・って、また話を逸らされてる!?




「卓弥、今度こそ逃がさないぞ。答えろ」

俺たちは部室にいた。結局新入部員は3人だけのようだ。

何故か?ほかの奴が来る気配すらもないから、だ。

先週校内で隼や優哉が頑張ってたらしいのだが(俺はその姿を見ていない)、結局きてるのは3人だった。

「わーーーーかったって!!いい加減お前しつこいぞ。そんなんじゃ女に嫌われるって」

「どうでもいい、そんなこと」

「うっわ、寂しい奴だなぁ・・・」

「・・・・・・“まさ」

「うゎかった!!落ち着け!!」

いい加減こいつとのやり取りは疲れる・・・・

「んで?何が聞きたいんだ?」

「まず・・・・・・」

たくさんあるな・・・・・まずはこれからだ。

「お前は何がきっかけで言霊を使えるようになった?」

「ん〜〜〜、特にないな。気づいたら使えてた」

納得いかなかったが、夏葉たちのことを考えたら、それもあるかと思えてしまった。それにこれ以上にまともな答えはなさそうだし。

まぁいい。次の質問。

「お前が言霊を使えると知ってる奴は?」

「お前だけ。ああ、あと宗治狼もか。んと、それから隼先輩とフウちゃんにも教えるつもり」

「フウちゃん?」

「風太郎さんだって」

ああ、言ってたな、そういえば・・・・だいぶ昔な気がするが、一週間前だったか。

「言具も気づいたら使えてたのか?」

「オウ♪・・・“双雛”」

途端に二双剣が現れる。卓弥は平然ともてあそんでいる。

「・・・お前、平気なのか?」

「何が?」

何がって・・・・俺に「言具に慣れてないんだから無茶するな」って言ったのはどいつだよ・・・

「言具を出しておいても全然平気なのかって・・・・・・・」

俺は固まった。

ドアが開けられて、そこには開けたまま固まってる隼と風太郎、それに優哉がいた。

現在の状況:卓弥がふざけて俺に双雛を突きつけて・・・

っておいおいおいおいおいおい!!!!!!

「・・・あ〜〜〜すまん、気にせず続けてくれ」

ドアを閉めようとする隼。

「・・・って待て!!もっと言うことないのか!?」

あわてて俺はさえぎる。隼は微妙に、しかし確実に目をそらして言った。

「いや、取り込み中っぽかったから、なぁ?」

「・・ん?・・ああ、そうだにゃあ☆」

「あの状況見たらたとえ俺様でも・・・ねぇ?」

ほかの2人も目をそらしつつ答える。

卓弥はさっきの状態で固まってる。

「・・・どうすりゃいいかなぁ・・・」

「とりあえずしまえ」

それで双雛をしまう。それで隼は理解したようだ。

「ってことで、隼と風太郎・・・さん、はこっちに。優哉はそこで待っててくれ」

「なぜだ!!この俺様をのけ者にするつもりか!?」

・・・・・・・・・

「・・・隼・・・」

「いいんじゃないか?」

・・・・・・はぁ。




ということで、いきなり最強決定戦になってるわけだが。

しかもいきなり俺が優哉と戦うことになってるわけだが。

やっぱり優哉に話すんじゃなかった・・・・

「いいかぁ〜〜?2人とも。殺しは無しだぞ〜〜・・・レディ・GO−−−!!!」

結局やるのか・・・・泣きたくなってきた・・・・・




「何でこれまで言わなかったんだ!?2人とも!!」

やっぱり、というか、当然、というか、の反応。

人は特殊な力を恐れ、妬む。人より才能があるやつを落としいれようとするのも、この心理だろう。

当然、俺たちみたいに特異なやつはその対象になる。

優哉はいいやつだったんだがな。これでさよならか・・・・

「ずるいぞ!お前たち!!・・・さては俺様より目立とうって魂胆だな!?許せん!!・・・ということで、オトシマエつけろ!勝負だ!!」

・・・・・・・は?

「だから、お前らが変な力持ってても、俺より弱けりゃ目立てないだろ?だから勝負!!」

「・・・お前、俺たちが力を持ってても、どうも思わないのか・・・?」

俺が聞くのを、優哉は面倒くさそうに答える。

「だから言ったろ?・・・それにちょっとぐらいハンディがあったほうが燃えるってやつだ!!!」

・・・こいつ、気にしてないのか・・・?

「おっし、それじゃ優哉の言うとおり、決闘といこうか」

「おっ、たのしみぃ〜〜☆前やったときは3人だけだったからつまらなかったけど今回は5人だしぃ〜〜」

「いいねぇ、今日こそ決着をつけてやるぜ、優哉!!」

とほかの三人。

なんだ?気にしてたの俺だけか?

・・・・結構みんなポジティブに生きてるのか?それとも俺が気にしすぎなのか?

「龍哉〜〜♪ひけひけ☆」

風太郎に言われるがままテキトーに札を引く。

・・・・・・『死』・・・・・!?

「おーい、お前らこの表見て、自分の引いたのと同じところが対戦表な」

隼の説明。なんかよくわからない説明だが。

俺は『死』だから・・・・・『殺』のやつとか・・・・

って札から見て俺の負け!?
                      
「あ、俺様『殺』だ。誰だぁ?俺様に殺られる栄えある最初のやつは!?」

やる気全開の優哉・・・・・ここは一つ誰かと交換を・・・

「あ、龍哉、お前『死』じゃん」

卓弥キサマーーー!!!!

「ご愁傷さ・ま♪」

こいつ・・・知ってて・・・

後で殺す!!!絶対殺す!!!

「おっしゃーー!!まずは龍哉からだな!?」

「・・・諦めろ、龍哉。天命だったのかもな!」

「龍哉〜〜〜☆死なない程度にがんばりなぁ〜〜☆」

「うらむなよ?あははははは〜〜〜〜」

・・・・・・・・

そして決戦のゴングがなる・・・・・・




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