第四章プロローグ




『闇を抜けた先に光はない

光を抜けた先に闇はない

所詮それら二つは隣り合っていて

まったく異なる二つなのだから』

「・・・アガングスの詩集・・・か・・・」

いつの間にか傍らにいた老人に、少年は驚きを隠せない。

「戎璽様・・・」

「準備は出来ておるな?フェリオ」

戎璽は少年に語りかけた。

「はい。バリバリOKです」

「その日本語は・・・まあよいわ。ゆくぞ・・・」

彼らは歩き出した。

彼らの後ろには、さらに何人かの影が控えていた。

少年――フェリオは、頭の中で、先ほどの詩集を思い返していた。

『彼らが闘う理由はひとつ

それが義務であり、権利だからだ』






第四十一話へ




言霊へモドル